淡路島洲本移住者インタビュー|興味のあることに何でもチャレンジ!洲本は夫婦の「好き」を実現できる場所

公開日 : 2022.11.30

洲本市炬口(たけのくち)漁港近くにある自宅から、「海沿いの景色を楽しみながら車で約45分。毎週金・土曜の営業日はこの場所に」と話すのは中北さん夫妻。淡路市の緑あふれるロケーションにある複合施設「KENBI」内に、ハンドメイドベレー帽ショップ「いちはなべれえ」を2022年8月にオープンしました。

このベレー帽づくりは洲本移住後に一から始めたこと。「やってみたいことがどんどん増えています」と笑顔で話されるお二人に、移住の経緯や日々の暮らし、これからへの思いを伺いました。

【プロフィール】
中北雅洋さん(38歳)
由香里さん(38歳)
※年齢は取材時点(2022年11月)

淡路島への移住決断にはコロナ禍による影響も

洲本移住後はもっと島が大好きになったそう。今回は淡路市にあるお店でインタビューに答えてくださいました

中学校では同級生だったという雅洋さんと由香里さんは東大阪市の出身。雅洋さんは機械工具商社の営業として勤務する一方、由香里さんは大阪の会社に営業事務として就職。15年以上勤務していましたが、洲本への移住を決めた理由には、コロナ禍の影響がありました。

由香里さん30歳を過ぎた頃から、会社勤めに疲れを感じるように。その上、緊急事態宣言を受けて、テレワークと出社を繰り返すことも負担になってきて…。そんな時、休日に二人でよく出かけていた淡路島のことが思い浮かんで、夫に「淡路島に住むことに決めた!」と伝えたんです。

雅洋さん突然の妻の言葉には驚きました。でも、私たちは自然いっぱいの淡路島が大好きで、いつかこの島で暮らせたらいいね、なんて話していたんです。妻の心身のことも考えて、「よし、行こう!」と決断しました。

雅洋さんの仕事は、テレワークが広がる中、営業先が淡路島に近い場所だったこともあり、会社と掛け合った結果、淡路島に移住してもそのまま勤務できることに。一方、淡路島での家探しを始め、1泊2日の予定で島に訪れると、不動産会社に炬口漁港の近くの物件を紹介してもらい、即決断。2021年春から洲本での新生活がスタートしました。

雅洋さんこれまで都会暮らしだったので、急に何もない田舎暮らしはハードルが高いと思っていました。そんな私たちにぴったりだったのが洲本です。紹介してもらった物件は、洲本の市街地にも近い炬口漁港のそば。商業施設や病院などが自転車ですぐに行ける距離にあります。テレワークもしっかりできる環境だったので、すぐに決めました。

ゆとりあるテレワークと新たなチャレンジの日々

「いちはなべれえ」の前で。お二人は外出時にいつもベレー帽を愛用されています

縁もゆかりもなかった洲本での暮らしに、不安はなかったのでしょうか。

由香里さん不安がないと言えば嘘になりますが、私たちと同じタイミングで妹も一緒に洲本へ移住したことは心強かったですね。それに日々の暮らしは都会暮らしと変わることなく、買い物などで不便を感じることはありませんでした。おいしい食材が多いですし、夫は少し太ったかもしれません(笑)。

雅洋さん仕事は週に一度大阪にある会社に寄って、それ以外は自宅でのテレワークか取引先での商談です。本社に行く時と商談時以外は通勤時間がありませんので体も楽。洲本に暮らしながらでも十分に仕事ができますね。妻とゆっくり話せる時間も増えました。

移住当初は島のいろんなところに一緒に出かけ、島で暮らす人とできるだけ交流を持つようにしたとも言います。

由香里さん「洲本に引っ越してきました」と島の人たちに挨拶することで、興味を持ってくれたり、相手も移住者だったりと、いろんな出会いがありました。島の人は本当にやさしくて、知り合いがどんどん増えていったんですよ。また、「住みたい!」と思って洲本に移住したからこそ、これからは興味のあることは何でもチャレンジしたかったんです。最初にしたことは、タマネギ農家さんでのアルバイト。農家の方々やアルバイト仲間とすごく仲良くなることができ、本当に島の一員になれたんだと実感できました。

「好き」をとことん突き詰めて、ベレー帽専門店をオープン

「自宅は生地だらけで見せられません(笑)」と由香里さん。ミシンの上達には裁縫上手な母親の指導もあったとか

現在は「いちはなべれえ」で自らハンドメイドしたベレー帽を販売する由香里さん。洲本に移住後、わずか1年と少しでお店をオープンするまでに至ったのは驚きです。

由香里さん昔から帽子が大好きだったのですが、以前、あるお店のスタッフにベレー帽のかぶり方を教えてもらったんです。それがうれしくて、いっぱいベレー帽を持つように…。その後、スタッフに淡路島移住の件を伝えたところ、「島で帽子屋さんをしてみたら?」と言われて。それがきっかけです。

オンラインで帽子づくりを教えてくれる先生と出会い、その後数カ月で、洲本市民広場で毎月第4日曜に開催される「AWAJISHIMA Sodatete Market」へ出店するまでに。イベントに参加することで、「いちはなべれえ」がある複合施設のオーナーと知り合い、チャレンジショップとしてやってみないかと誘いを受けたそうです。

由香里さんまさか自分がお店を持つとは、大阪時代には思ってもいませんでした。帽子づくりも、ショップ運営も、まったく経験はありませんでしたが、オーナーさんや周りのサポートのおかげもあってオープンできました。今は別のアルバイトもしながら、週2日でお店を営業。それ以外はベレー帽づくりです。配色や生地の特徴を考えるなど、帽子づくりは楽しいですね。夫も時間があれば生地をカットしたり、縫製したりと手伝ってくれていて、かなり上達しました(笑)。

洲本移住で実現した「自分たちがしたい暮らし」

島内外からさまざまな人が訪れる淡路市の複合施設「KENBI」。毎月第2日曜には「蚤の市」などのイベントを実施しています

洲本に移住後、自分たちに合った働き方や好きなことを実現することで、充実した日々を送るお二人。由香里さんにはこれからしてみたいことが、まだまだたくさんあるそうです。

由香里さんベレー帽はもちろん、アイドルが好きだったり、実は橋を見るのが好きだったり、洲本では自分のいろんな「好き」を表現できる場を得たように感じています。「いちはなべれえ」はまだスタートしたばかりですが、次はこんなことしよう…みたいなアイデアを二人でよく話しています。移住を経験した私たちだからこそ伝えられることがあるはず。島への移住を検討する人に向けたイベントもできればいいですね。

最後に、雅洋さんには移住を考える人へのアドバイスを伺いました。

雅洋さん今では明石海峡大橋を渡って島へ戻る度に、心が落ち着くんですよね。洲本がホームタウンになって、本当によかったなと思っています。妻の一言から始まった私たちの移住ですが、「移住するぞ」と決心した後は、現地へ行く、不動産屋さんを訪ねるなど、すぐに動いたことが、今の結果につながった理由だと思います。思い悩む前に即行動。それが移住のコツかもしれませんね。

いちはなべれえ

ユニークな店舗が集まる複合施設「KENBI」にあるコンテナショップの一つが由香里さんのお店。さまざまな生地を使ってハンドメイドするベレー帽は52cm3500円、56〜60cm4500円〜。オーダーメイド5000円〜も注文可。

物件名いちはなべれえ
住所淡路市中持282-1 KENBI内
交通神戸淡路鳴門自動車道東浦ICから約4km
電話0799-20-5252
料金・時間・休み金・土曜11〜17時(第2日曜は営業)
定休日月〜木・日曜
駐車場10台
公式インスタグラムhttps://www.instagram.com/ichihanaberet/
※掲載の内容は2022年11月取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、おでかけの際は事前にご確認ください。
※料金はすべて取材時点の税込料金です。
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