子供と遊ぶ時間が増えた里山ライフ|藤崎耕平さん

公開日 : 2023.11.24

 洲本市地域おこし協力隊を経て、大阪から洲本市安乎町に移住された藤崎耕平さん。大阪時代は大阪の某大学にてシステム管理者として、現在は島で「Webコンサルタント」として独立しご活躍の藤崎さんに「淡路島のIT環境や子育て」についてお話を伺うため、安乎町のご自宅(古民家)の事務所にお邪魔しました。

【プロフィール】
藤崎耕平さん(36歳)
※年齢は取材時点(2023年10月)

「子育てと働き方」を考えての移住

 淡路島に来る前は大阪府堺市に住んでいた藤崎ファミリー。耕平さんは職場まで通勤に2時間もかかっていたそう。子どもをいちばん最初に保育所に預けて、いちばん最後にお迎えに行くのが日常でした。これはそろそろ「子育て」と「働き方」を変えなければ!その2つのタイミングが一致したこともあり移住先を検討しはじめました。

 そこで候補に上がったのが淡路島。理由は「海が好き」ということと「実家がある大阪からの近さ」でした。そんな中、運よく洲本市の地域おこし協力隊の募集を見つけます。活動内容が自分の持つITスキルを活かせそうなものだったこともあり応募し見事内定。無事に洲本市への移住を果たします。任期中は、洲本市の魅力発信、移住の相談員、子供向けのプログラミング塾(CoderDojo淡路島)を主催したりしていたそうです。

ー現在住んでいる古民家はどのように見つけたのですか?

耕平さん協力隊仲間からの紹介ですね。そこから地域の人に繋いてもらって購入しました。外観は古く見えますが、母屋は6年前くらいまで誰か住んでいたみたいで、中はオール電化です。でも今お話ししているここ(事務所)はボロボロで、移住者向けのDIYイベントを開いたりしながら、少しずつみんなに協力してもらって直していった。その様子は古民家DIYブログとして発信していました。今から5年くらい前ですかね?その頃は古民家DIY系のコンテンツってあまりなかったからか、イベントにはたくさんの人が参加してくれました。

離れを改装した事務所
事務所の看板猫ちゃん

島のネット環境ははっきり言って悪い

ー近年リモートワーカーの移住やコワーキングスペースの新設が相次ぎ、ワーケーションなどでも注目されている淡路島ですが、肝心の島のネット環境について教えてもらえませんか?

耕平さん色々盛り上がっているみたいですが、島のネット環境ははっきり言って悪いです。下水道と同じで中心部しか整っていない。僕らみたいな里山に住んでいたらネットはケーブルテレビ回線のインターネット一択です。普通の光回線に比べたらかなり遅いですね。僕の家はたまたま光回線が家の100メートル先の地点まで来るという噂を聞きつけたので、頼みに行ったら奇跡的に延長してもらえました。なので、仕事に支障をきたすことはなかった。趣味で動画を見たりネットをしたりする程度ならケーブルテレビの回線で十分ですが、仕事として大きなファイルをダウンロードするとかになると非常に遅いです。

ー子供向けにプログラミング塾をされているそうですが、島内のIT教育についてどう思われますか?

耕平さんプログラミング教育が必須になったので、学校でもタブレットを使い、専用のアプリなどで学習が行われているようですが、本当はパソコンを配って欲しいなと思っています。タブレットでアプリを使いこなせてはいるのですが、それ以上に生産性のある使い方ができていないように感じてしまいます。でも学校の先生も制度が急に変わって大変だと思うのでなんとも言えませんが。自分が主催する「CoderDojo淡路島」では子供が触れるパソコンを用意しているので、子供が作りたいものを聞いて、どうやって作れるか一緒に考えてサポートしています。CoderDojo淡路島はカリキュラムがある塾のようなものではではなく、あくまで子供の主体的に学ぶ姿勢を大切にしているサークルのような場です。

CoderDojo淡路島の様子(CoderDojo淡路島のBlogより)

ー子供ひとりひとりが尊重されていて素晴らしいですね。全ての教科がそうあるべきだなと感じました!

田舎暮らしは意外と忙しい

ー洲本市安乎町の暮らしについて教えてください。

耕平さんここ安乎町に住む決め手になったのは、保育園、小学校、中学校の全てが徒歩圏内だとうところ。やはり移住の目的が子育て環境だったので、この点は最重要でした。あと、ご近所付き合いが程よい距離感なのはいいですね。一応隣保にも入っているのですが、うち含めて4軒だけなので、オリンピックと同じ周期で隣保長が回ってきます(笑)でもそんなに頻繁に活動する訳ではないので負担には感じていないかな。あとは青年団というグループにも入っていてお祭りのお手伝いなんかもしたりします。

※隣保:住んでいる家の周り数十軒がグループ分けされ、回覧板を回したり共同で草刈りや溝掃除などを行う。また、隣保ごとに「隣保長」という代表者がおり活動の取りまとめを行なっている。

里山の風景が残る安乎町、ちょうど稲刈りシーズンで稲穂が美しい

耕平さん子供の通学時間が短くなったのと、現在は在宅での仕事が主なので、子供と遊ぶ時間が増えたのは嬉しいですね。困ったことは特にないのですが、あえて挙げるとすれば、学校の生徒数が少ないため、交友関係が固定化されがちということ。いい面もありますが、関係が上手く行かなくなったときに逃げ場がないこと、人が集まらないから部活の選択肢も少ないところですかね。大人数でやるスポーツは特に。なので、島内でやっているスポーツイベントに子供を連れて行ったときはとても喜んでくれました。

ー最後に移住希望の方に伝えておきたいことがあればお願いします。

耕平さん田舎でスローライフってイメージを抱いて淡路島への移住を希望される方がいると思うのですが、古民家に住むと、草刈りや家の管理が大変で全くスローライフではないです!!少しゆっくりしているとすぐに草が生えて来てとても大変なんです。あと、人手不足なので近所や学校の役もいろいろ回って来て思ったより忙しい。なので、その辺りを想定して移住して来て欲しいですね。

刈っても刈っても生えてくる雑草たち

編集後記いつも直感とか感覚で生きている右脳優位な私。そんな私とは正反対で左脳派な藤崎さんのお話しは論理的で分かりやすくて、インターネットとかパソコンとかチンプンカンプンな私でもすっと理解でき、特にプログラミング教育のお話は首がもげるほど共感しました。一年後の未来すら予測できない昨今ですが、子供たち自身が主体的に考え思いを形にできるようサポートするグループが淡路島にあること、そしてそれをサポートする大人たちがいることにこの島の未来も明るいなと感じました。私の子供も通わせたい、というか私自身がプログラミングを学んでみたいと思う、そんな取材でした。

CoderDojo淡路島

http://coderdojo-awajishima.info/

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